実家を建て替える場合の費用は?メリットとデメリットも紹介

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実家を建て替えるときは、新築とは違い、解体費用などが発生します。 二世帯住宅にする場合、お互いのニーズやライフスタイルを考慮した家づくりが大切です。この記事では、実家を建て替えるときに発生する費用や、コストをおさえる方法などを紹介します。

目次

実家を建て替える場合に発生する費用

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実家を建て替えるときの主な費用は、解体費と建築費です。国土交通省が発表している費用に基づいて、建て替え費用を計算。資金計画の参考にしてください。

①解体費

解体費の平均は50坪175万円となっています。これは国土交通省の「我が国の住生活をめぐる状況等について H30」で発表されている数字です。

実家の構造が木造の場合は、約4万円前後/坪。鉄筋コンクリート造の場合は、約7万円前後/坪といわれています。他にも、以下の要素で費用が変わります。

  • 重機が入れない立地(人件費がかかる)
  • 解体しにくい建材が使われている
  • 地下室がある
  • 廃材の量が多い

実家を建て替えるときの解体業者は、慎重に検討する必要があります。

不正する業者もおり、解体した廃材を適切に処理せず、依頼者が罰金を払うケースも。 相場と比べて、異常に安い料金を提示する業者には警戒が必要です。

費用の明細を詳しく説明できる業者を選び、費用面に関しては複数社見積もるといいでしょう。

②建築費

建て替えるときの費用平均は、約3,299万円といわれています。これは、国土交通省が発表している「住宅市場動向調査 R3」の数字です。建て替え世帯の自己資金比率は55.4%となっています。

夫婦、もしくは子どものいる1世帯家庭の建築費は安くおさえられます。しかし、実家を二世帯住宅にする場合は、建築費用がかさむので注意してください。

費用をおさえて実家を建て替える3つの方法

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実家を建て替えるときに気になるのは費用面です。なるべくコストをかけずに建築して、余裕のある資金計画を立てましょう。

①事前に土地・不用品の整理をする

解体工事には「付帯工事」という項目があります。これは、建物本体の解体以外に関わる費用のことです。

例えば、庭の植木や雑草、家具や家電の処分には追加の費用がかかります。 少し大変ですが、自分で事前に処分することで、費用の削減が期待できます。

②自治体の補助金を使う

自治体の制度で、解体費・建築費をサポートしてくれる場合があります。実家の自治体でどんな費用サポート制度があるのか、ホームページで確認してみましょう。

例えば、東京都の江戸川区では、主に以下のような助成金制度があります。

  • 老朽住宅除却工事助成制度
  • 戸建住宅耐震改修設計等助成制度
  • 戸建住宅耐震改修工事助成制度
  • 新耐震戸建住宅耐震改修設計等助成制度
  • 新耐震戸建住宅耐震改修工事助成制度
  • (旧耐震)戸建住宅耐震改修設計等助成制度
  • (旧耐震)戸建住宅耐震改修工事助成制度
    …など

助成金制度は、名前だけではな分からないことが多いので、窓口で相談するのもおすすめです。

また、予算上限に達し次第終了してしまいますが、国土交通省の「こどもエコすまい支援事業」や、「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス実証事業」、「LCCM住宅整備推進事業」などがあります。うまく制度を活用していきましょう。

③住宅取得資金贈与の特例を使う

親から土地を受け継ぐ人や、資金のサポートを受ける人は、住宅取得資金贈与の特例を使えば、最大で約1,000万円まで課税がされません。

住宅取得資金贈与の特例を使うには、6つの条件があります。

  • 贈与を受けた時に贈与者の直系卑属(贈与者は受贈者の直系尊属)であること
  • 贈与を受けた年の1月1日において、18歳以上であること
  • 贈与を受けた年の年分の所得税に係る合計所得金額が2,000万円以下(新築等をする住宅用の家屋の床面積が40平方メートル以上50平方メートル未満の場合は、1,000万円以下)であること
  • 平成21年分から令和3年分までの贈与税の申告で「住宅取得等資金の非課税」の適用を受けたことがないこと
  • 自己の配偶者、親族などの一定の特別の関係がある人から住宅用の家屋の取得をしたものではないこと、またはこれらの方との請負契約等により新築もしくは増改築等をしたものではないこと
  • 贈与を受けた年の翌年3月15日までに住宅取得等資金の全額を充てて住宅用の家屋の新築等をすること
    ※資料引用:直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税より

新築または取得の場合の要件もあるので、よく調べてから活用してください。この制度は自動で適用されないので、実家を建て替えるときは公的機関に申請してください。

実家を建て替える3つのメリット

二世帯 イメージ

実家を建て替えると、新築にはないメリットが生まれます。ここでは、3つのメリットを紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

①土地の購入費用がいらない

土地の購入費用は、実家の家を建て替える場合必要ありません。土地の費用は、エリアによって変わりますが、国土交通省の「住宅市場動向調査 R3」によると、全国平均で約1,700万円前後となっています。都市部になると、平均から1,000万円以上上がることも珍しくありません。

浮いた費用は、建物本体や住宅設備に回せます。間取りや外観の自由度も上がるので、素敵な家づくりができるでしょう。

②経験を活かして家づくりができる

実家を建て替えると、親世代の意見を取り入れたり、自身の生活経験を活かしながら建築できます。現在の不満点を解消しながら設計をすれば、暮らしやすさが段違いに変わります。

また、二世帯住宅を建築する際は、バリアフリー化がしやすいのもメリットです。

親世代が暮らしやすい家ということは、自身が老後となったときも暮らしやすい家となります。ライフスタイルに合わせた、快適な家をつくりましょう。

③二世帯住宅にすればお互いをサポートできる

子どもがいる世代の場合、親世代と同居することで子育てサポートを受けられます。両親・義両親がいれば、保育園の急な呼び出しがあっても、仕事を休まなくてすむでしょう。

逆に、子世代が親世代を見守りながらの生活もできます。孤立を防げるので、思わぬトラブルを防止する効果がありますよ。

実家を建て替えるデメリット

実家を建て替えたときに、思っていたた暮らしと違うと後悔してしまうパターンがあります。失敗を回避するためにも、デメリットをしっかりと把握しておきましょう。

二世帯住宅の場合|建築費用が生活を圧迫する場合がある

二世帯住宅を希望する場合、建築費用がかさむ場合があります。二世帯住宅の建築は、一世帯の家よりも基本的に価格がアップします。

親世代と子世代のスペースを完全に区切った「完全分離型」で実家を建て替える人は要注意です。費用をおさえたいのなら、キッチンや水回りを共用する「一部同居型」を感がておきましょう。

二世帯住宅の場合|お互いの暮らしを考える必要がある

ライフスタイルは、親世代と子世代で違います。スペースをすべて共用にする「完全同居型」の二世帯住宅にすると、時間間隔が合わない、プライベート空間がないなどのトラブルが発生しがちです。

実家を建て替えて親世代と一緒に暮らす場合、家に何を求めているのか、好きなデザイン・設備など、お互いの意見を出し合った上で建築しましょう。

実家を建て替えるときに失敗しないコツ

老夫婦と若夫婦 イメージ

実家を建て替えるときに、成功しやすいコツを伝授します。親世代と子世代が納得できる家づくりを楽しみましょう。

①バリアフリー化をする

現役世代が忘れがちなのが、家のバリアフリー化です。家を建て替えるときは、バリアフリー化ができるチャンス。老後の暮らしに目を向けつつ、安全面にも配慮した家づくりをしましょう。

例えば、以下の点に気をつけて設計をしてみてください。

  • 部屋間の温度差をなくす(ヒートショック対策)
  • 段差がないフラットな床にする
  • 廊下や階段、お風呂に手すりを設置する
  • 車イスが動けるスペースを確保する
  • 扉を引き戸にする
  • ユニバーサルデザインの設備を使用する

以下の記事で、バリアフリー化について詳しく解説しているので、ぜひ見ていってください。

②二世帯住宅の場合|ライフスタイルを考慮した設計にする

実家を二世帯住宅に建て替える際、親世帯と子世帯の双方が満足する間取りをつくりましょう。

「親の気持ちを考慮する」という思いは大事ですが、お互いの生活スタイルを理解し合い、しっかりとコミュニケーションを取ることが重要です。

利便性が高い1階は親世代、2階は子世代の生活スペースにするのもおすすめ。敷地と相談しながら間取りづくりをしてください。

③二世帯住宅の場合|資金計画をしっかりと立てる

二世帯住宅は、資金計画を立てないと、思わぬトラブルが発生します。特に、どちらの世代が、どの費用を払うのかをしっかりと決めておきましょう。

実家を建て替えると、登記費用や地盤調査代など、さまざまな費用がかかります。最初に決めておくと、スムーズに話し合いがすすみますよ。

④二世帯住宅の場合|防音対策をする

親世代と子世代で、ライフスタイルが違う場合は、しっかりと防音対策をしましょう。防音対策をしていないと、不和の原因になる場合があります。

例えば、起床時間や就寝時間が違うことでストレスを感じたり、歩く音が階下に響いたりするケースで、ケンカになってしまうことも。防音対策は、コストアップになりますが、家を建て替えるときは注意してください。

老後でも失敗・後悔のない家づくりのコツは以下の記事でも詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。

実家を建て替えるときにおすすめの間取り

実家を建て変えてるときに大事なのは間取り。ここでは、おすすめの間取りを2つ紹介します。

①玄関と浴室以外は分離!収納バッチリの一部同居型|2LDK+2LDK+趣味室

一部共用型 1階の間取り
一部共用型 2階の間取り
画像引用:suumo
延床面積44坪
敷地面積58坪
建物価格3,044万円

1階は親世代、2階は子世代に分かれた二世帯住宅です。お風呂と玄関以外を独立させることで、お互いのプライベートな時間を確保。大きいシューズクロークや、ウォークインクローゼットを設置することで、ゆとりある収納が生まれています。

②完全同居型だけどゆったり暮らせる家!|2SLDK+屋上

完全同居型 1階間取り
完全同居型 2階間取り
画像引用:SUUMO
延床面積30.1坪
敷地面積35坪
建物価格2,442万円

完全同居型だけれども、お互いの家族の部屋を確保した間取り。コストも一部同居型よりおさえられています。親世代と子世代がゆっくり過ごせるように、リビングは広めに設計。屋上があるので、休日はバーベキューやプール遊びなど、さまざまな楽しみがあります。

おすすめのハウスメーカー5選

実家を建て替えるときに、頼りになるのがハウスメーカー。ここでは、バリアフリー化や防音設備などができるハウスメーカーを紹介します。

①ミサワホーム

ミサワホーム
引用:ミサワホーム(公式)

ミサワホームは、1974年に設立されて以来、高品質な住宅の提供。独自の技術やデザインに力を入れており、耐震性や断熱性に優れた住宅を多く手掛けています。

独自技術の「床制振ダンパー」は、2階に設置することで、振動を抑制。遮音間仕切り壁によって、家族間のプライベート空間をつくりあげてくれます。

②ヘーベルハウス

ヘーベルハウス
引用:ヘーベルハウス(公式)

ヘーベルハウスは、アサヒカセイグループの住宅ブランドのひとつ。代表的な建材「ヘーベルパワーボード」は、特殊な構造によって音を抑える効果があります。

さらに、壁や床、天井などの各部に防音対策を施工可能。例えば、二重の壁構造や、特殊な防音材を使用した床構造など、防音対策に力を入れたい人におすすめ。

③セキスイハイム

セキスイハイム
引用:セキスイハイム(公式)

セキスイハイムは、1971年に日本で初めてのプレハブ住宅として誕生。以来、革新的な技術と高品質な住宅を提供しています。

セキスイハイムの断熱材は、70db(幹線道路並の音)から30db(筆跡の音)まで軽減が可能としています。間仕切り壁は二重構造+高密度のグラスウールを使用し、優れた防音性を発揮します。業界トップクラスの遮音床が標準そうなのもポイントです。

④大和ハウス

大和ハウス
引用:大和ハウス(公式)

大和ハウスは、住宅の提供だけでなく、商業施設や公共施設、都市開発など幅広い事業を手掛ける企業です。大和ハウスでは、一次防振と二次防振を活用することで、外からの音を80dBの音を30dBまで軽減します。

3段階の断熱性能のうち、最高グレードの「エクストラV断熱仕様」はとても断熱性能が高く、天井・壁・床に配置できます。遮音性も高いので、生活音をシャットアウトしてくれるでしょう。

⑤クレバリーホーム

クレバリーホーム
引用:クレバリーホーム(公式)

クレバリーホームは、木造住宅を中心に、顧客のライフスタイルに合わせた家づくりをしてくれます。間取りの自由度が高いので、細かい要望がある人におすすめ。

2階の床に遮音性が高い建材を使用可能。ドアや換気口、排水管などにも防音施工ができます。

実家を建て替えるときは後悔がないように!

夫婦 イメージ

実家を建て替えるときは、工事前にしっかりと情報収集することが大切です。費用面は、住む予定の自治体の助成金を活用するのがおすすめ。二世帯住宅を建築する場合は、双方の意見をまとめて、ライフスタイル合わせた家づくりをしてください。後悔がない家を建てて、快適な暮らしを手に入れましょう!

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